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Interview

定期的に更新するインタビューのページです。Webクリエイターだけでなく、
さまざまなジャンルの方々のインタビューを掲載していく予定です。


05 大森丈寛

2006.01.04 [ Musician ]

大森丈寛

ギターヴォーカル、ベース、ドラム、2台のアナログシンセ、テルミン、サンプラーを巧みに使い独自の音世界を実現する長野のバンドbubblesweet。この圧倒的な情報量を、バンドのリーダーという立場からコントロールして楽曲に仕上げる役目を担うギターヴォーカルの大森丈寛氏に、音楽活動にのめりこむきっかけから、現在のプロジェクトbubblesweetの音世界へのこだわりを語っていただきました。

インタビュアー・編集/坂田大輔 写真/ハラヒロシ

─音楽(バンド)をやろうとしたきっかけ、そこから音楽に傾倒していく過程を教えてください。

中学2年ぐらいの時にちょうどバンドブームがあって猫も杓子もバンドやり始め、でもそのときは全然興味なくて、「時間の無駄だな?」とか思っていたのですが、すごく仲の良い友達に「バンドやろうぜ!」って誘われて、しょうがないな?と思いながらも、中学卒業したら辞めようと決めて始めました。ベースやギターがどういったモノか僕らは全然わからなかったので、とりあえず、ジャンケンで決めました。で、僕がギターやることになりました。それからもう一人の友達に無理やりドラムをやらせてバンド組みました。聖飢魔IIのコピーバンドでしたね。でも実際は、スタジオで合わせてみると難しくてみんなまともに演奏できないので、最終的には「ヘビーメタル!!!!!」とか叫んで意味のないノイズ出して喜んでました。
そんなライブもやらないような活動でしたが、音楽には確実に惹かれ始めていたと思います。バンドをはじめる前に思っていた“早く卒業して仕事”という目標は卒業時にはまったくなくなっていて、高校進学と同時に音楽活動にさらにのめりこんでいきます。 そのころは、モトリークルー、ガンズ&ローゼズなどのLAメタルの影響を受けつつ、コピーバンドで3つのバンドを掛け持ちして練習とライブを行う傍ら、作曲活動もはじめました。発表こそしませんでしたが、ギターと声だけでラジカセに吹き込むという原始的な方法で、インスト中心の曲を制作していました。
大学時代は、シーケンサーを使って本格的な楽曲として曲を仕上げていくようになりました。その当時の音楽的な大きな転機として、Janes Addictionとの出会いがあります。かれらのファンクをルーツとした音楽に非常にショックを受け、楽曲制作に大きな影響を及ぼしています。現在のbubblesweetの2コードからなる曲もかれらからの影響を受けています。そういえば余りにもJanes Addictionにはまりすぎて、日本にはないLP版(ジャケ違い)とビデオを求めて、ニューヨークへ渡米したのを覚えています(笑)。

─大学時代つくりためた楽曲が、バンドの曲として日の目をみるのはいつごろだったのですか。

大学を卒業して長野に戻ってきてからです。synchro9というバンドを結成し、ネオンホールを中心に活動を始めました。当時は東京2回、長野2回の月4回のライブなんていうのもざらにありました。そのとき鍛えられたことは多かったような気がします。そんな活発なバンド活動とともに、synchro9では補えない部分を、ソロプロジェクトbubblesweetで始動します。曲の完成度が高まってくるとbubblesweetの比重が大きくなって、synchro9の解散とともにメンバー4人による“バンド”bubblesweetがスタートしました。

─bubblesweetはどんな活動を行ってきましたか?

2000年に、takehiro(vo,g)、nakajima(dr)、masa(bass,cho)、hiromi(sampler, analogsynthe)の4人でスタートし、長野市のネオンホールを中心に新潟、群馬、仙台、東京などで月1?3のペースでライヴ活動を行っていました。キーボード部分の曲の作りこみが複雑化するとともに、2002年emiko(thelmin,analogsynthe,vocorder)が加入し、その年から自主イヴェント「Channel Sonic」をスタートさせました。その後映像担当のebi(映像、VJ)とPA担当のtakashi shimizu(PA/sound)が加わり、現在6人で活動を行っています。リリースしたフルアルバムはこれまでに3作、その他多くのコンピレーションアルバムに参加しています。

─bubblesweetの楽曲を制作する上で心がけていることはなんですか?

もともとbubblesweetは自分のソロプロジェクトだったこともあり、最初はほとんどのパートを自分ひとりで制作していました。いわゆるシーケンサーでベース・ドラム・キーボード・曲の展開・歌メロなどの基本線を全部作りこんで、メンバーに披露する。そしてそのイメージを壊さないように、アレンジしてつくってもらう。この方法は自分のやりたいことを実現するという意味ではもっとも確実な方法ですね。
それが、あるときからうまくいかなくなる。自分のつくってきたものにメンバーをあてはめるというやり方に無理が出てきたのだと思います。バンドはある意味でメンバーの制作物のコラボレーションですから、メンバーの実力とbubblesweetへの理解度が上がるとともにすこしずつ、「bubblesweet=大森丈寛のみで完結するWorks」という枠の中で破綻が起き始めていたのかもしれません。そういった状況の中で、あるときスタジオ内で、ギターのワンフレーズを元にセッションで作り上げるという手法を使い始めます。こういった手法を選択するということに自分は最初戸惑いを感じたことは否定できません。ただ、できた曲「may」は素直にかっこよかった。薄々感じてはいたのですが、このとき「メンバーがつくるものって本当にいいものなんだ」と強く感じた瞬間でした。
今は自分の役割は、セッションしながらそれぞれのパートの良い部分をピックアップして曲に反映させることだと思ってます。

─そういう方法はバンドの形態としてはある意味で理想的だと思いますが、その分時間がかかったりしませんか?

このやり方に慣れるまで最初は時間がかかりました。ただ、いまでは集中力しだいで2時間の練習で曲の骨格ができあがってしまうこともあります。これまでのメンバーとの積み重ねによるところが多いのかもしれません。

─bubblesweetが音で表現したいことってなんですか?

人間のあふれ出るエネルギーです。悲しみも、恨みも、喜びも、怒りも何でもかんでも自然に湧き上がるエネルギーですね。長くやってると、よくバンドが解散するとかしないとかそんな状況を見るのですが「そういうのみると早く辞めちゃえば」と思います。今、自分はバンドの一部で、バンドがひとつの人格としてエネルギーを表現しています。そしてそんな風になれるまで、本当に時間がかかっているわけだから、そんな過程を通過してきたバンドだからこそ出せるエネルギーってあるのだと思います。

─NewAlbum「may walk」について聞かせてください。

「may walk」はその名のとおり「may」から歩き始めるbubblesweetを象徴するアルバムです。レコーディング自体は2年くらいかかっています。このアルバムはbubblesweetの3rdにあたるわけですが、2ndまでのやり方とは大きく録音方法が変わりました。今までは自分たちで録音、ミックスをしてマスタリングだけを八王子のスタジオでやってもらっていました。今回は、自分たちでハードディスクレコーダーに素材(各パートの音)を録音してそのデータを八王子のスタジオにもって行き、そこでプロツールスに入れ、エンジニアとともにミックス→マスタリングというスタイルで作業を行いました。
音の定位やディレイタイムには気を使いましたね。その分録音へ力を入れることができて、マイキングにも工夫ができ結果として良かったのではないかと思います。2年間という期間があったのでレコーディング中に曲が仕上がったりして、そのなかで、さっきも話した新たな曲制作の手法も取り入れられたわけです。そういう意味ではいろいろなカラーがある、いままでのbubblesweetとこれからのbubblesweetの混在、次へのステップへの決意が込められた作品と言えるかもしれません。
あと、「may walk」は自分たちの自主レーベルから出そうと話を進めていたので、出すんだったら全国流通させたいということで、いろいろなディストリビューターと話をして、今のディストリビューターが決まり、タワレコとかHMVとかアマゾンでも流通して買えるようになっています。弱小レーベルですが、やればなんでもできるということです。DIYです。

─これからのbubblesweetをどうしていきたいですか?

単純です。良い作品をリリースして良いライブをしたいですね。
高揚感、興奮、満足感、絶頂感を感じ続けていたいです。

bubblesweet

Profile

大森丈寛 [ Takehiro Omori ]
url :www.bubblesweet.com

愛知県東海市生まれ。長野市在住。バンドbubblesweetのリーダー。moools、balloonsなどハイレベルなミュージシャンを招いた自主企画イベント「Channel Sonic」の企画ほか、2005年、自主レーベル「OMOOZ CORPORATION」を「may walk」発売に合わせたちあげる。また、自分がこれはと思った長野の地元バンドのレコーディングも無償で行うなど、長野の音楽周りを活性化する人物として数多くの支持を集めている。

Information

New Album「may walk」
2,100円(税込)
may walk
前作までのポップなサウンドは健在。エレクトリック、サイケデリックの要素が強くなり、より大きなサウンドスケールを体感できる作品となった。3ピースに加え、2台のアナログシンセ、テルミンが奏でる音響フィードバック、サウンドオブスペース。

1.squall
2.warped view
3.line
4.adjuster
5.tapestry
6.beautiful time
7.drops
8.sacrifice
9.may .....and?????

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