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Interview

定期的に更新するインタビューのページです。Webクリエイターだけでなく、
さまざまなジャンルの方々のインタビューを掲載していく予定です。


12 Biondy Chopper

2006.09.04 [ Illustrator ]

Biondy Chopper

浮世絵+日本画+アメコミという個性的なアートワーク等で様々なジャンルで活躍されているイラストレーター/グラフィックデザイナーのBiondy Chopper氏は、現在長野市で活動中。2006年9月10日にAgainのCLUB JUNK BOXで開催される音楽・ファッション・アートを融合させた巨大イベント「ROCKOUT SHOW」は、個人で開催するイベントとしては県下最大規模。イベント開催を目前に控えたBiondy Chopper氏に、これまでの活動とイベントに対する意気込みについてお話を伺った。

インタビュアー/id=Nagano 写真/ハラヒロシ

─簡単な略歴を教えてください

2000年からイラストレーターとして活動を始めて、2001年に諸事情で長野に移り住んできました。はじめは出版社に勤めながらイラストレーターとしての活動も続けていて、2003年にフリーランスとして独立し、今はデザイナーとしての活動が多くなっていてイラストと半々くらいでやっています。2003年の後半にクライアントに縛られない、純粋なオリジナルアートワークを追求していくため「ANTi NOTION」というデザインチームを立ち上げて、主にT-shirtsなんかを作ったりしています。

─主にどのようなジャンルのお仕事をされていますか?

一番多いのは音楽系の仕事です。CDジャケットやPV用のアニメーション、今はなくなってしまったんですが「Color」というフリーペーパーの表紙のイラストやデザインをやったりしていました。長野だとCLUB JUNK BOXさんのスタッフTシャツや、イベントTシャツのデザインや、2005年のAgain音楽祭のアートワークも担当させていただきました。ほかにもWEBサイトへのイラスト提供など、ジャンル問わずやっています。私も音楽が好きなので、必然的にこういう仕事が多くなるのかもしれません。

2005年アゲイン音楽祭アートワーク

─今の仕事に携われるようになるまでに、どういった取り組みをして、どういったステップを踏んで仕事を得るようになったのですか?挫折などはありましたか?

私の場合は周りに恵まれてるというか、自分から売り込みをしたことはあまりしたことがなくて、周りの人がいろいろな話を持ってきてくれることが多いです。そういうところに助けられてる部分はあります。ただ最初は作品をいつも持ち歩いて、とにかく色々な人に見せていました。それを続けていると自分の作品を覚えてくれるので、なにかあったときに思い出してくれて仕事がきたりしました。つながりっていうのはすごく大事ですね。ほかのイラストレーターさんから仕事がふられることもあるし、逆に自分の方からお願いする事もあったり。
常に動いていることで、繋がっていくというのを近ごろ強く感じます。例えば最近Levi'sのウェブカタログ「Levi's Fall & Winter 2006 Collection」とPOP広告にグラフィックを提供させていただいたのですが、そのお話がきたのは、担当者の方が私のWebサイトを見ていただいて、その中のグラフィックの作品が気に入ってくれてメールを送っていただいたんです。グラフィックの作品がたまってきていて、Webサイトにアップしたのがそのお話の1週間くらい前のことだったので、それをやらなかったら絶対になかった仕事なんです。常に動いてないと何も生まれてこないというのを実感しましたね。
挫折は…しょっちゅうです。「仕事」と「自分」のバランスをどこでとるか。グラフィックやイラストって勝ち負けがつかないけど、きっちりさせたくなってしまったり、それを否定したり。評価されることが大事なのか、自分だけが納得していればいいのかとか、答えの出せないことに思考を巡らせて、色んな矛盾が日々渦巻いてます。でもその矛盾に対して絶対に出ない答えを出そうとすることが、自分の作品づくりの源になっている気がします。

Levi's Fall & Winter 2006 Collection

─Biondy Chopperさんの浮世絵・日本画・アメコミなどを融合させて和洋折衷な作風はどういった経緯で確立されたのですか?

感化されやすいので、色々なものに影響を受けてしまうんですが、はじめはアメコミっぽいものやロウブロウなんて呼ばれてるスタイルが好きで、学生時代から卒業して2・3年はそういう作品ばかり描いていました。でもロウブロウはやってる人もたくさんいるし、自分だけのものをと考えている時に浮世絵・日本画の世界にはまって、これを取り入れられないかなと思っている時にマイアミバズーカヘッドというバンドのTシャツをつくらせていただいたんです。このバンドが昭和歌謡のにおいのするスカパンクバンドっていう面白いバンドで、そのTシャツでモチーフにしたのが女の風神雷神。そこではじめて和をとりいれたイラストを描きました。そのすぐ後に今度はコンバースのバスケットボールウェアの広告のお話をいただいて、その広告のコンセプトは「バスケットボール戦国時代」でした。武将がバスケットをしているところをアメコミ風に描ける人ということで、アメコミっぽいのを描いていた私に白羽の矢がたって、たてつづけに「和」を取り入れたものを求められた仕事がタイミングよく入ってきたんですね。その一連の仕事で、一気に自分の世界が確立したと思っています。
マイアミバズーカヘッドもTシャツが好評で、その後CDジャケットを2回やらせていただいたり、コンバースも前期・後期に渡ってイラストを描かせていただきました。
でもこのスタイルもまだ完全に確立するには至っていません。バランスがすごく難しくて、どっちかに寄ってしまうとカッコ悪くなってしまう。まだまだ試行錯誤の途中です。

マイアミバズーカヘッド1stアルバム「New Generation SKA」
CONVERSE 2003 FOR THE TEAM CAMPAIGN

─作品を仕上げるまでの手法はどのようなものがありますか?

基本的にはほとんど手描きです。とにかくペン一本でどこまで仕上げられるかが勝負です。自分にとって色はおまけのようなもので、色に対して苦手意識があるのもあるんですが、できたイラストをスキャンして、ベタで色をつける感じです。ものによってはアメコミ調のドットをいれたり、シルクスクリーンの版ずれを意識していれることでバランスをとったりします。

─最近のお仕事を紹介いただけますか?

最近は「ANTi NOTION」の活動を通じてグラフィックの作品をつくることが多いんですが、さきほども少し話をさせていただいたLevi'sのウェブカタログや、 Radio CarolineというバンドのTシャツのデザイン。少し前になりますが、今年31年ぶりに復活する「吉田拓郎&かぐや姫 Concert in つま恋2006」のロゴデザイン、広告、フィギュア・パッケージのデザインなどをやらせていただきました。

─お仕事以外にしている製作活動は?

「ANTi NOTION」の活動のひとつとして2004年から「Jezas13」というTシャツレーベルを立ち上げて、自分達でシルクスクリーンプリントでTシャツなどの製作・販売をしているのですが、今年の9月11日から「ROCKOUT STUDIO」というANTi NOTIONのアトリエ兼ショップを長野市母袋にオープンさせます。そこでは普段つくっている量産用のTシャツのほかに、お店には委託できないような1点モノのアイテムを展開していったり、とにかくクリエイティブな活動の拠点として、他の人にも楽しめる空間を提供していければと思っているので、興味のある人はぜひ遊びにきていただきたいですね。

─9/10日に開催されるイベント「ROCKOUT SHOW」とはどんな内容ですか?

「ROCKOUT SHOW」はおそらく個人で開催するものとしては長野市で最大級のイベントです。音楽・ファッション・アートなどをとりいれたイベントはほかにもあると思うのですが、どんな人でも楽しめるエンターテイメントなイベントとしてショッピングプラザアゲイン7FのCLUB JUNK BOXとアゲインホールで行います。アゲインホールでは東京などで活躍する12人のプロのクリエーターさんのエキシビジョンを行います。当日は全員ではないですが、何人かのクリエーターさんが直接会場にきてくださるので、お話できる機会もありますよ。JUNKBOXでは出演バンドと出演ブランドのコラボレートファッションショーライブやエキシビジョン参加クリエーターによるライブペインティングもあります。その他にもいままでライブハウスで見たこともないようなことも企画してます。詳しくは特設サイトがありますので、そちらをご覧いただければと。

─個人でこれだけ大きな規模のイベントを開催されるのは大変だと思いますが、いつごろから計画されていたのですか?

計画は5・6月くらいからですね。今回のイベントにはもうひとりオーガナイザーがいるのですが、その人が関わっている「AFFORD」というバンドがCDをリリースするにあたって、長野でライブをやりたいからイベント一緒にやらないかと持ちかけられたのが最初です。また「SKY CARNIVAL」という長野の若手DJが仕掛けているイベントがあって、そのメンバーが不定期で行っている「AT THE HOP」というイベントで3月にファッションショーをやらせてもらたんですが、そこで味をしめちゃったんですよね(笑)。それでもう一度やりたいと思っていたり、うちの関わっているバンドもちょうど長野でライブをやりたいといっていたので、じゃあやってみましょうとなりまして、打ち合わせの時にアートもいれてやりたいとか、いろいろと話が膨らんで、声をかけていったらいつのまにか大規模なイベントになっていました(笑)

─イベントに出演される方々はBiondy Chopperさんの人脈ですか?よくこれほどのメンバーを集められましたね?

いえ、もうひとりのオーガナイザーの方といっしょに声をかけていきました。エキシビジョンのほうは自分の分野なので、知っている方に声をかけさせていただきました。ジャンルは違っても良いモノを創っている人たちとやってみたいなと思いまして。バンドやDJはもうひとりの方にお願いしたり。それにAgainさんだったりJUNK BOXさんだったり、いろいろな人たちの協力があって、実現できている部分が大きいです。

─最後に、イベントにかける意気込みをお聞かせください

とにかく出演者の多いイベントで、ひとつひとつは説明しきれないんですが、本当にすごいメンツが集まっています。クリエイティブなことに興味がある人は絶対観にきてほしいですね、特に若い人たちは是非。個人的には「SKYBEAVER」というバンドをぜひ見ていただきたいです。ヴォーカル/ギターの藤澤さんは須坂市出身で、ヴォーカル/ベースの安井さんも茅野出身という長野にゆかりのあるバンドで、ほんとうの意味でエモーショナルな音楽を聴かせてくれます。曲を聴いて電流が走りました(笑)。普段はやらないんですが、こっちからアプローチしてコラボTシャツをださせてもらったり、今回のイベントの出演も長野の人にぜひ聴いてもらいたいバンドなので、お願いして出演してもらった大プッシュのバンドです。そのほかにもJUNK BOXでは自分とエキシビジョン参加クリエーターのKATOKEN、泉川マクフライでライブペインティングをやります。3人で一枚の絵を仕上げるのは初の試みなので自分も当日まで全然わからないんですけど(笑)。
 今はインターネットのおかげでどこにいてもアクションさえ起こせば世界中の人にみてもらえる機会がありますよね。地方だからとかは関係なくて、逆に地方から良いものが発信されていく時代になっていくと思ってます。長野でもどんどんそういうことが増えてきて繋がっていけたら、もっとおもしろいコトができるんじゃないかと。自分としてはこのイベントを通じて少しでも長野が盛り上がるきっかけになったり、刺激になれば嬉しいです。

─ありがとうございました。当日は実はid=Naganoのワークショップがすごく近くで開催されますので、ワークショップ前にお邪魔させていただきますね。

ANTi NOTION

Profile

Biondy Chopper
イラストレーター
url :
Biondy Chopper ArtWork
ANTi NOTION

1978年生まれ。長野県在住。浮世絵や日本画、アメコミなどを融合させたイラストを得意とするJaponism Lowbrowイラストレーター。CDジャケットや、PVアニメーションなど主に音楽と関わる仕事を多く手がける。2003年にクライアントに縛られない、純粋なオリジナルアートワークを追求していくため、デザインチーム「ANTi NOTION」を立ち上げる。シルクスクリーン、ペインティング、ドローイングなど様々な手法で既成概念の外側にあるものをテーマに作品を生み出していく。

Faborite Site


Event

ROCKOUT SHOW
ROCKOUT SHOW

2006.9.10sun [CLUB JUNK BOX]