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Interview

定期的に更新するインタビューのページです。Webクリエイターだけでなく、
さまざまなジャンルの方々のインタビューを掲載していく予定です。


28 加藤琢磨

2011.09.07 [ Creative Director ]

加藤琢磨

塩尻市出身で、現在は東京を拠点としているシフトブレインのCEO / Creative Director、加藤琢磨さん。「モノづくりにアイを」をモットーに作り出されるWebサイトの数々は、クライアントへの愛情とオリジナリティのあるアイデア・技術にあふれています。普段の仕事の進め方、今後取り組んでいきたいことなどをお聞きしました。

インタビュアー・写真・編集/ハラヒロシ

─まず、Web業界に入ったきっかけを教えてください

もともと建築志望で、大学時代には工業デザイン学科でデザインの勉強をしていました。が、大学3年生まではほとんど大学には行ってませんでした。3年生のときに1年生と一緒に体育の授業をやってましたからね(笑)。それが、4年生になって入ったゼミの卒業生にFLASHクリエーターの巨匠「IMAGE DIVE」の長藤寛和さんがいることを知って、初めてwebの世界に触れました。長藤さんにあこがれてこの世界に入った人はきっと多いと思いますが、僕もそれからwebの虜になりまして、、必死にHTMLやFlashを勉強するようになって、いつの間にか一番学校にいる人間になっていました(笑)。
その後、長野県内の広告代理店に内定をいただいていたのですが、本当にこの仕事をやりたいのかと悩んだあげく、断って研究室に残ることにしたんです。親戚や周囲の反対を押し切って東京に残っているので、何か形にしないといけない、という想いがずっとありました。
ゼミの先生にとても良くして頂いて、同じ研究室の仲間とユニットを組んで研究室で作品を作っていたんですが、その中でたまたまwebのコンペで賞をいただいて、いろいろなつながりができたので、卒業した後も個人事業として活動し、紆余曲折を経て、2005年9月にシフトブレインを立ち上げました。

─仕事において、加藤さんの主な役割は何ですか?

クリエイティブ・ディレクターです。クライアントとの最初に接触するときはディレクターと帯同し課題の整理や座組を決めることが多いです。そこからの業務はいったんディレクターに預けて、企画はできるだけ多くのスタッフとブレストしながら、最終的な提案・プレゼンを行うというメインの仕事になります。弊社の案件のジャンルをざっくり分けると、キャンペーン系が40%、ブランド・コーポレート系が30%、採用系が20%、その他10%ぐらいの割合で、僕がメインで担当しているのはキャンペーンですね。

─クリエイティブ・ディレクターとして、重要なことってなんですか?

いろいろあるんですが、一番の仕事は「クオリティ管理」と「プレゼン」ではないかと最近は強く思っています。クオリティ管理については、提案前や納品前には必ず自分のフィルタを通すようにします。ただ、アイデア出しはできるだけ多くのスタッフで話すということにしていて、ブレストしながらアイデアをまとめていく感じです。特に開発スタッフは最新の技術に対して貪欲に情報を収集しているので、できるだけ自分アイデアを押しつけずに、スタッフから出てきたアイデアをパッケージングするような役割でいたいなぁと思っています。
プレゼンもすごく大事で、プレゼンの仕方も重要ですが、事前準備となる、提案書自体のデザインを作るのと作らないとでは、お客様に与える印象が全く違うなぁと感じています。
僕らが売っている商品は何百万もするベンツと同じわけですから、そのパンフレットとなる提案書が普通だと中身が良くても買おうという気になれませんからね。

─提案ではどんなことを求められますか?

クライアントさんへの提案と、代理店さんへの提案だと性質が異なりますね。クライアントさんへの提案の場合は、アポとって、ヒアリングして、提案して...というフローが成り立ちますが、代理店さんへの提案、特にキャンペーン系のサイトの場合はとにかくスピードが要求されます。思いついたらすぐに手書きで書いたものを送ってOKをもらう。それが面白いって思ってもわらないとその先に提案してもらえないですから、OKをもらえるまでひたすらアイデアを出し続ける感じです。その場で決めて、明日には提案!みたいなことをやっています。以前内閣府のお仕事をさせていただいたときに、代理店さんのほうから「3時間後に内閣府に来て提案に同行して」と言われて、ラフな格好で同行しましたが、ガードマンの方に止められないかヒヤヒヤしました。(笑)

─すごいスピード感ですね...

キャンペーンはCMやイベントなど他の広告と絡んでいる場合が多く、決められた日にローンチしなければ、何千万もの媒体費が無駄になっちゃいます。それを、僕らの徹夜ごときの理由ではずらせないですからね。それでもお客さんからの要望やクオリティーの妥協はできないので、大きなキャンペーンの発注が決まると、いつも相当な覚悟が必要です。「よしデスマーチ始まるぞ!」的な。(笑)

─印象に残っている仕事はありますか?

最近だと、 PlayStationソフト「WE LOVE CARS. |グランツーリスモ5」ですね。このソフトは、ファンの間では発売をものすごく期待されていたソフトなんです。初めに代理店さんからキャンペーンの大枠のコンセプトをいただきました。"「WE LOVE CARS.」を広めていこう"、つまり、ゲーマーだけではなくて本当の車好きにもアピールできるよう、"私たち、車好きです宣言"をして、みんなの参加を促すような仕組みづくりをしていこう、というものでした。リアルでは、車に貼ってもらうためのステッカーをプレゼントしたり、そのステッカーを貼ってCMに参加してもらったりと、仕組みは決まっていましたが、デジタルでどう広めていくかは決まっていませんでしたので、そこから代理店さんといろいろと相談しながら企画をつめていきました。最終的には、ユーザーのTwitter壁紙を読み込んで、自由にステッカーを貼って壁紙をカスタマイズできる仕組みをつくったり、そこで作った壁紙をアップして評価できるようなサイトを作りました。そういった、アイデアと技術をうまく組み合わせて実現していくのが弊社の強みだと思っています。うちの開発スタッフのモチベーションが高くて、「何でもやってみようよ!」というスタンスなので、いつも助けられています。

▼WE LOVE CARS. |グランツーリスモ5 ※キャンペーン終了につき一部コンテンツのみ


─会社のスローガン「モノづくりにアイを」に込められた想いを教えてください

「アイ」には「愛」、「合い(コミュニケーション)」「アイデア(考え方)」という3つ意味があります。これは「ITを使って幸せな仕組みを作る」という大それた会社ビジョンのために必要な要素だと定義していています。僕らが社会に対してできることは、モノをつくることなので、常にその三つの要素を意識したモノづくりをしていこうという想いが込められています。

─ふだん、情報収集はどのようにしていますか?

ネットでは、iGoogleに登録しているRSS、Twitter、Facebookが主な情報源です。ネットだけだと専門的になりすぎちゃうので、マス媒体からの情報もできる限り集めるようにしなければなぁと思っています。とはいえ、新聞を読むほど通勤時間がないので、録画したワールドビジネスサテライトを観ることと、週末朝イチから漫画喫茶に行って主要なビジネス雑誌など読み漁るようにしています。社長の行動としてはあまりよろしくないので、あまり人には言えませんが。(笑)

─今後、取り組んでいきたいことなどはありますか?

ソーシャルメディアを使って、いかにパーソナライズされたコンテンツを作り、ユーザーの興味をわかせるか、ということに注目しています。いまも、ソーシャルメディアを使ったサイトの企画がいくつか進行していますが、何分新しいジャンルなので、リスクも大きく、どうしても成功した事例をベースに企画を考えてしまいます。新しいジャンルだからこそ、それがスタンダードになる可能性を秘めているので、できる限りソーシャルに対して前向きに取り組んでいきたいですね。

あとは、「ゲームに夢中になる仕組み(ゲーミフィケイション)」にとても興味があります。ゲームは"ストレス"と"快感"のバランスなんですね。最初は難しくてストレスを感じるのですが、クリアすると快感を感じてアドレナリンが出る。その次はもう少し強いストレスと快感を与える。その繰り返しで人はゲームに夢中になっていきます。そういうことを研究している本を読んでみると、そこには一定の法則を見出すことができるんです。ビギナーズラックを用意するのもそのひとつです。そういった"仕組み"を理解して取り入れてみたら、世の中にあるつまらないもの、やらなければならないことを仕組みを変えるだけで、面白くできる、夢中になれると思うんです。
例を出すと、NINTENDO DSのソフトで英検のゲームがあります。普通テスト勉強はつまらないからいやいややるものなのに、ゲームであれば夢中になって勉強できる。当然成績が上がります。そういう仕組みを取り入れたサービスを作ることが僕の夢であり、目標です。まだまだその段階にはないですけど、ITを使って人が夢中になる仕組みをもっともっと学んで、経験して、いつか実現したいですね。

─ありがとうございました。



▼慶応大学DMC機構 21722LAB

▼駒ヶ根高原レディスクリニック

Profile

加藤琢磨[Takuma Kato]
CEO / Creative Director

1977年生まれ。松商学園卒。大学時代に作ったサイトがたまたま賞にひっかかり起業。数人でユニットを組んで活動後、2005年に株式会社SHIFTBRAINを設立。「モノづくりにアイを。」をモットーに、キャンペーンサイトやブランドサイトをメインに情熱を持って企画・提案・プレゼンを繰り返す日々。趣味は1年前に始めたゴルフと、週末漫喫でビジネス誌を読み漁ること。

受賞暦
信毎ホームページ大賞入賞、アックゼロヨンアワード入賞、W3 Award Silver&Goldなど

執筆暦
Web Designing 2010年7月号巻頭特集「最新ユーザーインターフェースの設計図」、web creators 2009年8月号巻頭特集「低コストで効果があがる最強WEBサイト制作術」

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